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風紋記事

2014/02/27

 28日から始まる市議会定例会に市監査委員は、市が30万円以上を財政援助をしている外部団体のうち、市役所内に事務局があり、市職員が会計事務を取り扱っている12団体の監査報告書を提出する。監査委員によると、不正や不祥事につながるような問題はなかったが、それでも単純な勘違いや事務の遅れ、出すべき報告書の不提出などのミスや課題が指摘された。それらは全体の半分にあたる6団体であった▼平成22年3月に発覚した、当時の市職員による公金横領事件は、この職員が外部団体の会計事務を担当し、不正な資金流用を行っていたことによるものだった。市役所始まって以来の不祥事である。市は当の職員を懲戒免職にし、関係職員を処分。再発防止計画もつくった。市議会は真相解明のため百条委員会を立ち上げ、当の職員や上司らを証人喚問した▼市役所も市議会も、我々記者もピリピリしていた。何より一般市民が怒っていた。変な言い方だが、あの頃の緊張感が懐かしい▼監査委員による外部団体の監査報告書の内容は3年前から、それまでより厳しくなり、ミスの内容やその団体名も明記している。今回の報告書で監査委員は「経理事務については、総じてチェック体制が十分機能しているとはいえない」とした。そこまで監査委員に言わせるのだから、市は再発防止計画の履行状況をすぐに再チェックすべきだろう▼事件当時、宮川市長は市議会で管理者としての責任を厳しく問われ「私も怒りが爆発です」と逆切れ気味に答弁した。あれもまた懐かしいが、市長はあの時の思いを忘れないでほしい。(桑原)