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風紋記事

2014/11/16

 商店街の店主らが講師となって専門知識などを伝授する無料のセミナー「まちゼミ」が10日スタートした。初日に行われた講座の一つ、ファッションクリエートマツモトによる「スーツ簡単着こなし術」を覗いてみた。「なるほど」と教えられる内容が盛りだくさんで楽しかった。初日に行われた他の講座を回った記者たちも「面白かった」と口を揃える▼講師の話を聞いていて改めて思ったのは「プロだなぁ」ということだ。当たり前とはいえ、やはり専門知識が豊富で、話もうまい。少人数に絞ってアットホームな雰囲気でやるところもいい。店側としてはついでにモノを売りたいところだろうが、主催者である紋別まちづくり塾の宮川法親会長が、ニコニコしながらも目を光らせていて「それ以上、販売につながることを言うのはダメ!」と口を挟んでくる。そのタイミングも絶妙で、会場の雰囲気を和ませた▼改めて思ったのは、店というのは大小の差はあれ、それぞれが独特の雰囲気を持っているということだ。店は一国一城である。その敷地は領土であり、店は城。店構えも品揃えにも、城主の気概が込められている。攻められれば戦う武器も覚悟も持っている。堂々としたものである▼取材を終えて店を出る時、講師の店長に「面白くてよかったですよ」と言ったが、なんだかそれでは言い足りないような気がした。中心商店街の個店が、こんなに頼もしく立派で、必死に努力しているのに感動し、そんなことに気付いていなかった己の不明を恥じたからだ。中心商店街はどっこい死んじゃいない。(桑原)