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風紋記事

2015/09/12

 市議会に提案されていた上下水道の使用料値上げ案が10日可決された。議会初日の1日に市長が提案説明した時は、水道料金に関する市条例の変更部分だけを述べ、新旧の料金比較を示さなかったので、傍聴席で聞いていた一般市民は、結局どのくらい値上げになるのか分からなかったと思う。7、8日の一般質問では議員側から賛否両論が出た。審議大詰めの9日、総務経済常任委員会で阿部徹委員が「市民への影響額について分かりやすい一覧表はないのか」と要望したら市側がその場で資料を提出した。もっと早く出していればそれまでの議論もより深まったのにと思う▼「議会審議はそういう段取りを踏むものだ」と言われればそれまでだが、役所の仕事は、分かりやすく言えばいいことを分かりにくく説明したり、出せばいい資料を小出しにするところがある▼ところで昨年8月に新議長に選ばれた柴田央氏は就任早々、議場で女性議員を「さん」づけで呼ぶようになった。それまでの議長は、男女問わず議場で議員の名を呼ぶ時は「くん」づけにするのが慣わしだった。なぜ変えたのか柴田議長に聞いてみたら「そのほうが自然な感じがするから」。確かにそうだ。ちょっとした改革で議会の雰囲気がぐっと親しみやすくなった▼行政も議会も、気持ち一つを変えるだけで、市民との距離を縮めることができる。上下水道料金の市側の提案も、最初から市民目線に立って説明してくれれば、値上げせざるを得ない厳しい事情に対する理解も深まったはずだ。行政も議会も、もっともっと「自然な感じ」でやってほしい。(桑原)