風紋記事
紋別ヒーロー倶楽部の創立5周年記念式典を取材した。倶楽部は特撮の怪獣やヒーローを愛する大人たちの集まりだが、枠にとどまらない活動を続けている。ご当地怪獣モンベモンを発案し、その着ぐるみでイベントを盛り上げたり、環境保護や障がい者福祉の活動も行っている▼特撮が好きで好きでたまらない人たちだから、社会貢献活動を行っても説教くさくないところがいい▼モンベモンが登場した当初は「気味が悪い」という声もあった。フィギアをデザインした札幌のデザイナーが式典に出席していたので、それを伝えると「気味悪がってもらえて本望です」と嬉しそうだった▼だが、そのモンベモンも、見る側の耐性がついてきたせいか、だんだん恐くなくなってきた。能天気な「ゆるキャラ」とは違うのだから殺気を失わないでほしい。イベントで子どもと相撲をとっている場合ではない▼宮川市長は式典の祝辞で「ゴジラのようなテーマ曲をつくれ」とはっぱをかけていた。そうか、その手もあったか。なら、勇壮で、おどろおどろしく、不気味な音楽をつくってほしい▼モンベモンは紋別を守る守護獣というから、守護神と言い換えてもいいだろう。古来、神は創造神であり、守護神であると同時に、破壊神でもあった。善悪を超えた存在なのだ。モンベモンよ、小賢しい優しさやサービス精神を捨てよ。その暗い瞳の奥に秘めた凶暴性をいつかさらけ出し、子どもたちを恐怖のどん底に叩き落とせ。子どもらが将来、昔を懐かしみ「アレ、可愛いと思ったら恐くて、まじヤバかったわ」とため息をつくほどに。(桑原)