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風紋記事

2016/01/16

 紋別青年会議所(JC)の新年パーティで新理事長の山本大将さん(34)があいさつした。市長を始め各界の代表、OBらが見守るなか、新年度の方針と決意を表明する長丁場のあいさつである。山本さんは原稿なしで、会場の左右に目を配らせながら話した。緊張のせいか、次の言葉がなかなか出てこない場面もあったが見事に乗り切った。「若者らしく挑戦したい。失敗しても、それはうまくいかない方法が1つ見つかったことだと受け止めたい」という言葉が良かった。原稿なしで今、懸命にあいさつしているその姿が、そのまま失敗を恐れない挑戦だった▼続いて来ひんとしてあいさつした宮川市長は「ひやひやしながら聞いていた」とユーモアで会場の空気を和らげた。JC出身者として、後輩への愛情がにじみ出る。市長は「かつて自分がJCで学んだのは勇気を持って一歩踏み出すことだ。それが今の自分につながっている」と言った。若い理事長のひたむきさに「大丈夫だ。俺もそうやってきた」とエールを送っているようだった。新旧両世代があいさつで心を通わせる、いい感じのオープニングだった▼新年会といえば主催者の固いあいさつと来ひんの歯の浮いたような祝辞が続くのが相場だが、当事者たちのちょっとしたやる気で、雰囲気ががらりと変わり、記憶に残る会合になるのである▼山本さんは「JCは自己の意識変革の場であると同時に他者に意識変革をもたらす場である」とも言った。額面通り受け止めたい。新年会の心意気を忘れずこの1年間、紋別に新しい風を吹き込んでほしいと思う。(桑原)