デスク記事
「居酒屋タクシー」とは、言い得て妙である。「お仕事大変でしょう。これで疲れを癒してください。またのご利用をお待ちして居ります」と、ビールやつまみ、ひどいときには現金の手渡し。深夜勤務をして帰宅する国家公務員と、タクシー運転手の間の出来事である▼霞ヶ関の各省庁で慢性的に行われているようで、これを問題視した国交省は今後2ヶ月間、タクシーチケットの使用を禁止するという。しかし職員の多くは「金品を受け取っている職員はほんの一部。要は自覚の問題。チケットを正しく使えば問題はないはず」と首を傾げている▼今の世の中、何か問題が起きれば付け焼き刃的な解決策を用意する。日本の行政の中枢である霞ヶ関には、その仕事の特殊性から深夜帰宅の職員も多いだろう。タクシーチケット制は、その必要があるから実施しているもの。優秀な人材が集まっている中央省庁では、明解なチケットの使い方をしていると信じたい▼何かが起きれば、すぐあたふたと走り回り、火消しに懸命になる。ボヤを消すためマチ中にホースの水をまき散らすようなものだ。ボヤは延焼しないよう、完全に消せばよい。火の気のない所まで水浸しにし、大事なものまで失う事はない。各省庁の「長」は、この際ボヤが広がっていないかどうか厳しくチェックし、火の気のある所は床や壁、天井の張り替えを実施することだ▼霞ヶ関の職員の中に、もし「自分は重要な仕事をしている。これ位の接待は受けても良い」と自己暗示している者が居るなら、それは恥ずべきこと。大事なポストに携わっている事に感謝し、誇りを胸に、清新な気持ちで務めを果たして欲しい。必要なら、チケットは堂々と使い、それに見合う仕事を国民は期待している。