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デスク記事

2009/02/17

 日本にとっても、北海道民にとっても、18日はとても重要な意味を持った日になるかも知れない。ロシアサハリン州・ユージノサハリンスクで、日本の麻生総理とロシアのメドベージェフ大統領の首脳会談が行われる日だ▼ロシアの国営企業ガスプロム社とロイヤルダッチシェル、三井物産、三菱商事が出資するサハリンエナジー社の事業・サハリンUの完成式典に、両首脳が出席。式典後、両氏は日・ロの懸案事項について突っ込んだ話し合いを行う予想だ▼主な議題は、ロシア側からは、シベリアの天然ガス開発・パイプライン建設に、日本の技術的、資金的な支援を要請すること。日本側は、言わずと知れた北方領土問題である。この両案件は、今までも、そしてこれからも関連し合って進められて行く▼特に北方領土に関してはこのままでは解決の糸口が見つからない。しかし今回、関係筋では「大きな前進があるかも知れない」と予測をする。ロシア側が具体的な提案をしてくる可能性を指摘する。それが2島返還なのか、あるいはそれ以外の何かがあるのか、今後の日・ロ関係の更なる前進のためにも、何らかの前進があることを期待する向きはある▼豊富な地下資源を有するロシアだが、国際協力銀行の前田部長によると、事業を推進するガスプロム社の資金面での困難さを予測する。サハリンUには、同銀行から約三千七百億円の融資がなされたが、シベリア開発では日本からの、これを大きく上回る協力が必要とされる▼道は、政府に対して「サハリンUによる北海道周辺の環境汚染防止を、日・ロ両国で強力に実施するよう、ロアシに要請するように」と、要請した。北方領土問題と海洋環境の保持と、日・ロ首脳会談の成果が注目される。