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なんだかんだ物議を醸(かも)しながらも、定額給付金の支給が始まった。西興部村では青森県の西目屋村と並んで、全国に先駆けての支給。現金を手にすれば誰だって顔がほころぶのは人情。この給付金に対し賛否両論があるのは当然のことながら、最近笑顔が見えなくなっている日本人に、一瞬でも笑顔が戻ってきたことは幸いなことだ▼政治家は「高収入の人が貰うのはさもしい=vとか、「辞退することを期待する」「受け取りを拒否する」など言われるが、そんな考え方こそ不思議だ。国会という最高議決機関で決まったことを議員から破ってどうする。受け取る国民への背信ではないか▼定額給付金は景気刺激策とか、生活支援とか、この予算をいろいろ意味づけしようとしているが、あまり大上段に構えず「国民の皆様、不安定な世の中だけれど、さあ、元気を出そう。これは景気づけの小遣いです」くらいの理解で良いのではないだろうか▼国民不在の国政。不審と足の引っ張り合いが延々と続き、議員は自己と政党の保身という狭いコップの中で右往左往しているだけで、国民を見ていない。百年に一度の経済危機と言われている今、論ずべきところに思考が行っていない。国家観とか日本の世界への貢献などという、本来の政治課題は、彼らには高度過ぎるテーマなのだろうか▼紋別市役所の定額給付金の係には、連日「いつ出るんですか」と電話がひっきりなしにかかってきている。一時的な給付でなく、国民生活全体の生活レベルアップという論議こそ国会で必死になって行われるべき時なのに、彼らは自己の姿を鏡に映す事さえしない。