■時には朝までかかることも
            
 締切時間と「格闘」

 取材から帰ってくると、記者は締め切り時間を気にしながら懸命になってパソコンを叩きます。紙面をデザインする「大組」の担当者から「まだですか。今日は少し遅いようですね」「とにかくトップの記事、早く出してください。大組が出来ませんから」と、盛んに催促が来る。「待ってくれよ、市議会がもめてて、まだ書けないんだよ。きょうは残業かな」など、せっぱつまった会話が交わされる。こんな時に限って交通事故など、事件事故が発生します。「おおい、トップの記事、切り替えだ。大きな人身事故が起きた」と、別の記者から声がかかる。編集長は「どう見ても新聞の刷り上がりは午後十時になるな。新聞販売店に、遅くなることを連絡しなければ」…となります。

 選挙の時などは、開票が終わる夜中の十一時ころから記者が記事を書き、それを大組みして印刷の版を作り、それを機械にかけて印刷する。刷り上がりは午前二時ころになることは珍しくありません。新聞販売店はそこから作業が始まり、寝ないで作業を行い、配達業務につなげるのです。

 こんな、夜中から早朝の作業になることが、年間十回ほど有り、午後十一時ころまでの作業なら、日常茶飯事です。でも、作業を終えたあとの爽快感は格別。紙面作りの面白さは、新聞作成に携わる者の特権と言えます。


とにかく時間との戦い…大事件・事故が起こると明け方まで帰宅できないことも…